由緒
1450(宝徳2)年、真言宗嵯峨多宝院の末寺蔵泉寺と称して開創したのが始まりです。当初は現在の寺の北方にあ
たる小松原という地に構えていましたが、戦乱の時代に一時衰退。1593( 文禄2) 年、龍巣院の七世、玄室龍頓和尚が住民の要請により中興し、曹洞禪に改められました。そして、1666( 寛文6) 年、簡沢和尚の代に漁夫の安全と幸福を願い、寺号を増船寺と改めました。大宗和尚の時代になって寺を今の場所に移し今日に至っています。
山号は海岸山、本尊は釈迦牟尼仏です。また遠州七福神霊場のひとつの毘沙門天を祀っています。その他にも、どのような願い事も叶えると言われる青銅の地蔵菩薩像や円山応挙が描いたと言われる幽霊画も所蔵しています。静かな佇まいの境内にはあじさいが咲き、書院の裏には赤い花の桐の木立を借景とした庭園があり、素朴な花の寺の雰囲気を醸し出しています。